私自身の方向性

山おろしというのは本名ではなく、偽名だ。
山おろしは私がゲームの世界で生きている時、本の世界にだいぶした時、
そして、こうしてネットの世界で言葉を発する時に登場する。
いわばもう一人の自分のようなもの。
中学、高校と私の趣味をバカにされ、山おろしという人格は私一人が知る所に隠れていた。
これからも、そうだと思っていた。
大学に入り、微妙に、少しずつそういうスタンスが崩れていった。
愛する者は違えども、各々のもつ趣味に対して軽蔑しない人々と出会ったからだ。
彼らと触れあううちに少しずつ、私の中で山おろしが大きくなっていった。
……山おろしの存在――彼らは「山おろし」という名前は知らない――が
彼らに知られだしたのはアマガミが契機だった。
アマガミが発売からだいぶ時間が経ち、徐々に知名度を上げ、
私の友人もアマガミに興味を持ちだした。
そのとき、カミングアウトした。


私はアマガミ紳士である…と。


私はアマガミ紳士に誇りを持っている。自慢にもならないが。


だが、今、私は山おろしという人格について悩んでいる。
アマガミコミックが次々と登場し、アニメ化も決定された。
CDについては恥ずかしい話、私自身追い付いてないほどまで出た。
アマガミ分が多いのは結構なことで、どんどんやってほしい一方で、
山おろしという人格とリアル私の人格が混ざり、
完全に山おろし化して、困っている。
症状としては
・日常でアマガミのことしか考えられない
・気がつけばアマガミの事を話している
アマガミについて語りたくて堪らない  
                     …etc
である。
今まで日常生活に影響を及ぼす事はほとんどなかった。
なのに今では影響を及ぼしている。
いったい私はどうしたらいいのか?
私は私がどうすればいいのか分からない。