アマガミSSのSSって…? - 6 -

アマガミSS 棚町薫編第二章「トマドイ」を視聴しました。
その感想を。



ふと、今回の話を視聴し、
やっぱり「アマガミ」は普通の高校生活を描いたゲームだなぁと思った。


ちょっとしたことでもめて、言い合いになって……。
それも皆が見ているところで…。
序盤、薫が男子に突っかかるシーンがあったが、
アニメではゲームよりも“言い合い”感がすごくあった。
もしかしたら、ゲームではセリフが途切れ途切れだったせいかもしれない。
そして、薫が出て行った後、絢辻さんが事情を聴き、男子を諌める。
オリジナル展開だけど、絢辻さんらしさが出ているシーン。
そして、何より、男子が行いを省みる、というのがよく見えた。
個人的に、どうしてもゲームの薫の言葉だけであの彼は反省しないように思えたので、
この展開はとても好きだった。
と、同時に普通の高校生活のワンシーンのようで、好ましかった。
高校時代、ちょっとしたことで言い合いをしていることがありませんでしたか?
そして、諌められたり、なだめられたりして、思いを改めたり…ありませんでしたか?


また、いきなりラストのシーンに話を持ってくるが、
最後に、薫の母親が恋人と待ち合わせをしているのを薫が目撃するシーンがある。
あのとき、涙を流しただけで終わってしまったが、
おそらくゲーム同様、悩み、苦しむ薫が描かれる…と思う。
家庭の事情・問題、自分を取り巻く環境の変化、それらについてとても深く考える。
とても多感な時期だからこそ、より苦悩する。
すべてとは言わないが、そんな想いを高校時代に抱いた方は少なくないだろう。
そう考えると、そこも高校生活の一面を描いてるのだな、と思える。


実のところ、それは私がTLSキミキスアマガミが好きな理由の一つだったりする。



さて、今回、ものすごく疑問に思うことが一つある。
それは「ヘソキス」


薫と言えばどんなイベント?とくれば「ヘソキス」と言っても差支えない。
それほどの印象を与えたイベント。坂本Pもお気に入りのイベント。
だからこそ、「ヘソキス」イベントが入れられるのは分かるし、入ると予想していた。
また、個人的にもあのヘソキスイベントは好き。
キミキスで、ヘソにキスはできないのか…?とか思った思い出があり、
かつ、薫のあのイラスト(全体のやつ、アップのやつの両方とも)が好きだから。
ただ、ゲームでは薫の挑発に乗った純一が
「男らしいところを見せる」と苦し紛れに提案したもの。
そして、成り行き上、二人ともに引き下がれなくなってやったこと。
二人の親密具合、関係が垣間見えるが、
そもそも「ヘソキス」以外の選択肢があり、ヘソキスを行わないパターンもある。
しかも、どれを選んでも“ごほうびイベント”のため、物語に影響はない。
つまり、「ヘソキス」はあまり物語には重要な意味をなしていないと思える。
そんなイベントが、このアニメで、入るとすればどう入るのか、それが気になった。


結論から言う。
「なんでヘソキスをした?」という疑問が残った。
えーっと、屋上で二人の関係について考察し、
薫が突然、冗談半分で密着したら、唇同士が触れた。
薫は「(このキスは)ノーカウント」と言って、立ち去る。
が、純一は納得がいかず、仕返しを画策し、薫を図書室に呼び出す。
最初、わきコチョをしようとしていたが、
それでは自身が納得できないと考え、「ヘソキスをしよう」ということになった。
ということですかね。
すみません、納得できません。
仕返しって……そこまでキスしたことが気がかりなんですか?
しかも薫は「ノーカウント」と言って、なかったことにしようとしているのに。
さらに、わきコチョにしろ、ヘソキスにしろ、よく薫は“仕返し”を受け入れたなぁ…と。
ゲームのように挑発し、引き下がれない、なら分かる気もするのですが、事情が違う。
正直言って、無理矢理シーンを入れた感があり、残念に思います……。


さらに、ヘソキスの描写について、不満。
森島先輩のときと比べてしまうが、
膝裏キスの時純一がキスする様子がしっかり描かれていた。
純一の表情、そして唇が膝裏に触れ、どんなふうにキスしているのか。
ヘソキスでは何もなかった。
純一の表情は分からないし、
どんなふうにキスしている(なめている)のかまったく不明だった。
ただ、純一はのぺっと膝を立てていた。お腹に顔を突っ伏していただけだった。
個人的にだが、ゲームと違ってドキドキしなかった。
アニメだからどんなふうにキスしているのか見れるはずなのに、描写がなかったという
残念感もあったためだと思うが、
無理矢理入れた(と思われる)ヘソキスが中途半端なものに思え、さらに不満に感じた。



実のところ、ヘソキス以外は、なんというか
高校生活の一シーンだったり、青春劇の一幕だったりが爽やかに描かれ、
薫編らしいお話になっているなと思い、楽しく視聴した。
なんとなく「ヘソキス」が浮いているように思え、そこが残念だった。
「『ヘソキス』入れたかったら、それを中心に描けばよかったじゃないか。
 青春劇とか抜きにしてさ」
とかいう言葉が浮かんだが、そっと隠しておく。


さて、以下、気になったことを書いていく。


一つ目。薫。
冒頭で薫の心情がつぶやかれているが、この心情があまり納得できない。
恋する気持ちに気づいていると思われる発言をしているのに、
「いや、ないない」と否定し、あれ?気づいていないのか?と思わされる。
前回も触れましたが、私は、薫が恋に悩んでいたのは「つかず離れずの関係に対して」
そして、「自分の気持ちをあやふやにしていることに対して」だと思っている。
「自分が恋しているか、いないかで悩んでいる」なんてことはないと思う。
少なくとも「恋してる」と気づいていると考えているので、
私の薫像とこのアマガミSSの薫像は微妙に食い違っている。
余談。
薫の「ノーカウント」後の「い〜だっ!」は顔が見せられていない分、
想像が掻き立てられ、とても好きだった。どんな顔してるんだろう…と。


二つ目。肩車。
もし、ヘソキスがドキドキさせるためにあったというならば、失敗だと思う。
私にはヘソキスは中途半端なものに思えたから。
だが、肩車にはドキドキした。
純一じゃないけど、太ももは気になったし、スカートを気にする薫は可愛らしかった。
ゲームでも描かれたイベントであるが、どんなふうに肩車しているのかよく描かれていたし、
二人の仲の良さ、互いに異性として意識しているというのも分かり、
見ていて、楽しかった。


三つ目。BGM。
これは最近、私が「アマガミSS サウンドトラック」を購入し、聴いている事にもよる。
ふとBGMに耳を傾けることが多くなった。
どの場面でどのBGMが流れているのか、気になった。
そして「なるほど、ここでこのBGMか」と思わされた。
一番記憶に残ったのは「ヘソキス」の後のBGM、『小鳥たちに捧ぐ』である。
サントラの感想でも述べたが、この曲は朝の風景などに使われ、
はじまりを感じさせる曲であると思っている。
二人の関係について悩んでいた薫が
ヘソキスの後、元通りの薫で少し吹っ切れた感がある。
新しい朝のように、すがすがしく、ね。
もしかしたら、ここから二人の新たな関係の始まりになるのかな、
なんて考えると、『小鳥たちに捧ぐ』はふさわしいな、と思うのだ。


四つ目。美也。
だから「まんま肉まん」を無理矢理言おうとするなよ……というのは置いておこう。
美也に見られたっ!?
ヘソキスを美也に見られたのは意外だったが、
確かに美也や他のキャラがヒロインと親しくしているのを目撃するのはあり得る話で
実際に見てみたかった。そして、その反応も。
でも、美也だけなのかー、という思いはある。
一緒に勉強してた紗江ちゃんや七咲は美也についていかなかったのかな?とか思ったり。
そうでなくとも純一と薫は図書室であれだけ騒いでいるんだから、
他の学生が様子を見に来てもよさそうなものですが……。



さて、次は第三章。
薫が思い、悩み、苦しみ様子がどう描かれるのか、期待します。


その5 棚町薫編 第一章「アクユウ」
その7 棚町薫編 第三章「ウラギリ」