4コマのアマガミ
「マジキュー4コマ アマガミ 3」の感想を書くが、その前に余談を。
個人的に「Various Artists」がもう制作されないという噂を聞いており、
その話が本当だと思っているため、
今後、このマジキュー4コマだけでアンソロを出すのかな？なんて思っている。
一方で、この『3』が最後のアンソロではないか？とも思っている。
それはそれで私はいいと思う。
アンソロジーはその時代時代のファンの声を強く反映させているものであろう。
キャラの捉え方であったり、使用されているネタであったり、
ファンの感想や評価がそこに示されている。
ところが、ある程度時間が経つと、感想や評価が固定されてしまって、
次のアンソロを出そうとしても似たり寄ったりになってしまう。
（私が「VAが似たり寄ったりの作品が多い」と感じてしまった原因は
そういった背景があるだろう。…だが、『固定』が早かった気もする？）
こんな解釈もあるんだ！的な作品もあるだろうが、
多くの場合、「ファンの感想や評価の集合体である」アンソロの一作品ではなく、
単体の作品の役目であると思う。
そんなわけで、アンソロが終わるタイミング的には、
『固定』がされてしまう前、もしくはされかけているときにするのが良く、
一時期『固定』されたかに思えた評価や感想が「アニメ化」によって
撹拌されたであろう現在に出すのは非常に良いタイミングだと思うし、
また、その『固定』が再び完了する前に終わってしまう方が、
マンネリにもならずにすむ…そう思っています。
ファンとしては「終わること」を望むのは間違いかもしれませんが、
アンソロ以外にも楽しめるものが多くある、そう思っていますので…。
余談が長くなりました。
改めて感想。
今回、アニメ放送が終わった後のアンソロということで、
『2』と比べ、どのような変化があるのかな？なんて期待して読んだ。
分かりやすい変化としてはアニメの影響と思われる点がいくつか見られた。
「妖怪ヘソナメ」とかアニメの話で新たに出てきたものがあることが一つ。
それだけでなく、前回までほとんどネタにされていなかったことが
改めてネタにされる…というのもアニメの影響だと思っている。
つまりは、梨穂子や紗江ちゃんがよくネタになっていた、ということ。
食いキャラ・ダイエット以外でネタにほとんどあがらなかった梨穂子が、
「なかなか想いを告げられない」というところでネタになっていた。
BLやヲタのネタくらいしかネタにならなかった紗江ちゃんが、
いろんな作品で様々なキャラを見せていた。
アニメでは直接なかった描写もあり、一概にアニメの影響とは言えないが、
アニメによって「存在を再認識された」ということはあるのではないだろうか？
存在というのは「キャラそのものの存在」という意味ではなく、
「キャラの持つ色々な面の存在」のこと。
前述した紗江ちゃん、梨穂子以外のキャラもいろんな存在を再認識されたと思われる。
（そーいえば、七咲の出番が異様に少なかった気がするが…？こはいかに？）
ちなみに、前回、私は『2』の感想について、
「純一が出過ぎであること」「純一は『変態紳士』という描写が多い」
という不満をもらした。
今回、私が『3』を読むかぎり、そんな不満は感じなかった。
もしかしたら、私の感覚が変化したこともあるだろうが、
どちらかというと今回の作品はヒロインたちにスポットが多く当たっていた気がする。
それもアニメ化のおかげではないか？と思う。
「変態紳士」が多かったアンソロが、
「ヒロイン」に多くスポットを当てたアンソロに変わったということは
前回まで「『変態紳士が主人公のゲーム』アマガミ」という評価だったのが、
「『魅力的なキャラと接する恋愛SLG』アマガミ」という評価にシフトしたということ。
もちろん後者というのはごく当たり前でありきたりな認識なのだが、
アニメ化によって「本当はこんなゲームだ」という認識に戻ったのではないだろうか？
魅力的なキャラと日常を過ごす、そのキャラは接し方によって色んな一面を見せる…
そんなゲームだと。
いろんなキャラのいろんな一面がネタになっており、個人的に面白く読めました。
ただ、アニメ化されると大抵、一番最初にあげた例のような
「アニメで新しく出たネタ」が使用されることが多いと思いますが、
今回、それは少ないように感じました。
おそらく「アニメで新しく出たネタ」自体が少ないからでしょう。
「アニメ化」によって『固定』された評価や感想は『撹拌』されたかもしれません。
ですが、新たなものを『創造』『添加』することはできなかった…そう思われます。
おそらく、ほどなくして再び『固定』されるでしょう。
もしくは『撹拌』され『分離』された状態のままかもしれません。
ですが、そういった『創造』や『添加』がない状態で
次のアンソロは…？となるとマンネリ化して、厳しいかな、と思います。
たぶん続巻はないと思っていますが。
本やアニメなどのことについて、よく知らない者の戯言ですが、
私の感想は以上です。
