アニマルッ!

precious diaryの感想。


今回の話は絢辻詞編の最終回である。


クリスマスパーティーを楽しむ絢辻さんと純一。
絢辻さんに連れられて、純一が向かったのは…。
そして……。


この話を読んで、泣きそうになったのは私だけだろうか。
少し目頭が熱くなりました。


個人的にゲームとpreciou diaryは違うイメージがある。
ゲームでは絢辻さんの孤立感が強かったが、漫画ではそうでもない。
だから、ゲームで思った、エピローグの二人だけで生きていくイメージも、
漫画では二人で支え合って頑張ろうというイメージがある。
やはり省略されたエピソードや、微妙に変えられたイベントのせいだろう。


ゲームと漫画と、どっちがいいとは言わない。
だが、このprecious diary(以下、PD)のような絢辻詞編の終わり方は、私は好きだ。
さっきも書いたが、ゲームの終わり方は
絢辻さんが孤立していった中で、
本当の自分を見つけてくれた純一と二人だけで生きていこう、
これから先、困難があろうと負けずに
頑張ろうという印象を受ける。
対して、PDは孤立した描写がほとんどないため、孤立した印象もなく、
二人だけで頑張る、という極端な話ではなく、
単なる、二人で愛し合って、支え合っていこうという印象を受ける。
そのため、「幸せになろうね」という言葉のニュアンスも変わってくるように思う。


ゲームをプレイしているとき、「幸せになろうね」という言葉がはかなく聞こえた。
なぜなら、二人のいく末には困難が待ち受けているのが想像でき、
たびたび困難が立ちはだかり、それではたして幸せになれるのか?
そして、ほとんど孤立してしまい、二人だけの世界で生きていく、
閉鎖された空間の中での幸せ、それでいいのか?
そんなことを考えてしまったから。
おそらく二人にすれば、幸せかもしれないが、
周りから見たら、幸せには見えないし、非常にもろい。
そんな幸せが待っているような気がした。
もちろん幸せには違いないが…。


PDの「幸せになろうね」には「はかなさ」はない。
そこにあったのは一人の女の子が本当の自分を見つけてくれた人に
本当の自分の気持ちを伝え、そして、彼は本当の自分の気持ちを受け止めてくれた。
そんな彼と「幸せになろう」と決めた。
そんな、希望に満ち溢れた言葉。
ゲームの「はかなさ」を薄くして(無くして?)、
純粋に二人の見つめる希望だけを抽出して描いている、そんな印象を受ける。


私にはそんな風にとらえられた。


もし、普通の高校生の恋愛を描いた漫画の場合、
どっちがいいか、と言われたなら、私は後者を選びたい。
普通の高校生の恋愛に、暗い未来、はかない幸せ、
そんなものを二人に感じてほしくない。感じさせるものであってほしくない。
二人には明るい未来、確固たる幸せ、それだけを感じてほしいと思うのだ。
希望を見てほしいと願うのだ。
だから、希望にあふれた二人を見て、心から良かったと思えた。
そういった意味で「幸せになれた」絢辻さんに涙が出るほど、嬉しく思えた。


また、今回、とても絢辻さんが可愛いかった。
扉絵に始まり、自分の本当の気持ちを告白する絢辻さん、
純一の言葉に泣いて喜ぶ絢辻さん……。
一つ一つが可愛く、先ほどの書いた嬉しさも加わり、
可愛さを通り越して、愛でたいと思うほど。
そういや、自分の気持ちを震えながら伝える絢辻さんや
涙を流して喜ぶ絢辻さんを見て、
なんとなく、年相応の女の子のように思えた。
自分の想いを伝えるのに恐怖し、震えたり、
涙を流すほど喜び、想いを抑えきれず、好きな人に飛びついたり…。
ときに、「天下無敵の仮面優等生」の肩書を持ち、
あまりの完璧さや口ぶりから、高校生に思えないときがあるけど、
やっぱり高校生なんだなと、そう思った。
だから、いつも以上に可愛く感じたのかな?


これで、絢辻詞編は終了となる。
もしかしたら、あいらんどで特別編があるかもしれないが。
次のヒロインは次号のヤングアニマルNo.19で発表となる。
そして、No.21から連載となる。誰が来るかはドキドキである。
次号を楽しみに待ちます。


最後に。
東雲太郎先生の「アマガミ precious diary 絢辻詞編」は楽しく読ませていただいた。
そして、個人的に良かった。
そう書き残しておく。


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