アニマルッ!

アマガミ precious diary」棚町薫編 第11話の感想。


あらすじ。
前回、薫のお母さんが男性と会っているところを目撃した薫。
純一はそんな薫と話をするが、薫の様子がおかしいことに気づく。
すると、薫は話があると言って放課後に純一を呼び出す。
薫の話とは…?


ゲームの内容を非常に丁寧になぞっているという印象を受けました。
確かにこの薫の考えや想いを吐き出すシーンは薫のスキBESTの話では重要であり、
おろそかにできない部分だと思っています。
薫が父や母に何を思っていたのか、そして今回のことをどう思っているのか。
薫の苦しみや悩みを聞くことができます。
それに対して純一はどのように薫に接するのか。
薫と似た境遇の方は少なからずいることでしょう。
はたから見れば些細であったり、大したことがない問題であったりしても、
当人たちにしてみれば大事件なこと、というのは多くあるはずです。
(誤解のないように言うと、この話がちっぽけな問題だと言いたいわけではないです。)
もちろん、ゲーム中では薫のことに限らず、他のヒロインにしたってそう。
見えている世界が狭いからこそ、
小さいことで傷ついたり、悲しんだりする。怒ったりする。喜びもある。
だけど、それが青春じゃないでしょうか。
そして、必ずしも上手い方法ではないかもしれないけど、
その出来事を乗り越えて、何かを手に入れるんだと、
見える世界が広がるんだと思います。
はたして、薫はどのように乗り越えるのでしょうか?
そして、純一は薫に何をしてあげられるのでしょうか?


さて、話は変わって…
先ほど「ゲームの内容を丁寧になぞっている」と書きましたが、
これについて、若干のモノ足りなさを感じています。
…と、言うのもコミカライズの面白さというのは
『咀嚼』にあると思っているからです。
アマガミのようなゲームのコミカライズの場合、
キャラの特徴や性格、ときに考えや想いといったものは
ルートによって散らばっていることがあるし、
特定のイベントを見ないと理解できない部分も多い。
下手をすれば、話の流れが分からないこともあるし、魅力がスポイルされることも…。
では、どうすれば良い作品になるのか?
それは『咀嚼』であると思います。噛み砕くこと。
これがどんな話であったか、このキャラは何を思っていたのか、
よくよく考え、理解する、解釈することで、
それに見合ったセリフや行動を抽出したり、表現を作ったりする。
ときには不要と思える話を削ったり、話をつなぎ合わせることもある。
噛み砕くことはなにも削ったり、つなぎ合わせるだけではない。
要素を抜き出し、新たにストーリーを紡ぐこともまた一つの手。
以上のように、表現の仕方は描く人次第だし、
解釈が人によって違うので何を表現するのか異なります。
そして、それが色となります。特徴となります。
この色というのは面白いもので、
この解釈を自分の持つ解釈と照らし合わせることで、
世界が広がることもあれば、違う世界がみえることがあります。
そのため、「ただなぞるだけ」だとその人の色が分からず、
つまらなく感じることがあります。
東雲太郎先生がどのような色を見せてくれるのか、楽しみにしています。


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