Kの記憶

ふとTVを見ると、美少女ゲームについての特集をやっていた。
なんとなくTVをつけていたので、ちょこちょこ目にしていた。


視聴していると、ふと私は美少女ゲームもといギャルゲーに何を求めているだろうか?
などと考えていた。
美少女ゲームの歴史が30年以上ならば、
キミキスという恋愛SLGから美少女ゲームを始めた私は歴史数年の若輩者。
それ以前はまったく興味はなかった。
私はどうしてキミキス、およびTLSにハマってしまったのだろう?
そんなことを考えていた。




キッカケはコミックだった。
キミキス various heroines」を読んで、キミキスをしたくなり、プレイした。
摩央姉ちゃんに惹かれてゲームを購入した。
ハマったのは摩央姉ちゃんが魅力的だったのもあるが、
その物語の高校生活に惹かれたのかもしれない。
どこにでもいそうな男の子と女の子の普通の高校生活、そして普通の恋愛。
特別な話などない。大きな事件も問題もない。
だけど、ちょっとしたことで笑って、泣いて、怒って…
多くの方の高校時代はそうではなかっただろうか?
ちょっとのことでもこの世の最大の出来事に感じていた、
ちょっとしたことに一喜一憂していた、
そんな思い出…誰にでもあるのではないだろうか?


自分の思い出や経験をゲームに重ね、
懐かしさを感じたり、いろいろと考える事があったり…。
当時まだ高校生だったので“懐かしさ”はなかったかもしれないが、
今ではその想いを抱いている。


キミキスに描かれているありきたりな恋愛に、高校生活に、惹かれた。


実を言うと、キミキスを最初にやったときの第一印象は
「なんだ?この紙芝居は?」だった。
ギャルゲーというものを知らなかったため、
てっきりアニメーションや3Dグラフィックを駆使したグラフィックなのだと思っていた。
だが、プレイして最初、紙人形劇的なものが始まった印象を受け、
ガッカリというか、落胆を受けた。
これで楽しめるのか?とさえ感じた。


だが、キャラの一人一人が魅力的だったし、
各ヒロインごとにごくごく普通の悩みや苦しみが描かれており、
主人公とのごく普通の高校生活が描かれていた。
先にも書いたが、そんなところに惹かれた。
もちろんドキドキするようなシチュエーションにも惹かれた。
だからハマった。




じゃあ、グラフィックは嫌いなのか?というと違う。
むしろ今では好きだ。


キミキスが好きになった後、TLSシリーズに興味をもち、1からプレイした。
そのときにキミキスのグラフィックの進化を知った。
トゥルー・ラブストーリー」において、
感情の表現として表情の変化はあったが、ポーズのバリエーションは少なかった。
ときに、いつも同じポーズに対して違和感を感じることがあった。
だが、冬の白い息があったり、口がパクパク動いたり、瞬きをしたり…
細かいところは最初からこだわりのようなものがあったのだと感じた。


TLS2で大きな進化を果たす。
ポーズにバリエーションが多く生まれた。
これにより感情に幅が広がった。
それだけでなく、遠くにいるキャラは小さく表現され、遠近感が生まれ、
遠くにいるキャラがいったんフェードアウト→近くに表示ということで
キャラの移動が再現されることになった。
また、2人のキャラが1画面に表示されることで、
キャラどうしの会話も見ることができ、物語に幅が広がった。
おまけとして、深山早苗ちゃん独自の表現として、
目がキラキラするという表現がとられた。
TLS→TLS2の進化に目を見張り、
発売から何年も経ったゲームにもかかわらず、夢中で楽しんでしまった。


改めてキミキスをプレイした時、
その表現のほとんどがTLS2の頃と変わらないことに気づいた。
「動きが少ないグラフィック」でも、
うまく工夫をして表現に幅を持たせようとしているのが見て取れた。
特に細かい部分に対して。
そこに素晴らしさが感じられ、凄さを感じた。
だから、かつて私が「紙芝居」と思った表現でも、
楽しむことができたのだ…そう思っている。




アマガミも多少は表現の追加があったが、ほとんどがTLS2の頃と変わらない。
新しいことはほとんどなく、システムが変わったことぐらいだろう。
かつての「場所を選び、ランダムで女の子と出会う」ランダムシステムを廃し、
「行動を選択し、物語を進める」マップシステムへと変更した。
このゲームシステムの変更に私は混乱などなく、
ランダムシステム、マップシステムの面白さをそれぞれ感じた。


また、今後発売予定であるフォトカノはランダムシステムを採用しているとのこと。
しかし、グラフィックは従来のモノとは違い、3Dグラフィックを採用している。
3Dグラフィックは未体験のため、多くは語れないが、
手に入れる前からそのグラフィックに興奮をしている。




私が美少女ゲームに求めるもの。
それはグラフィックではない、システムではない。
最初に言ったように私は物語に惹かれている。
だが、感動とか、泣けるとか、特に求めてはいない気がする。
なぜなら、自分に重ね合わせれば、
物語のちょっとしたことでも泣くことはできるし、笑うことだってできるから。
それはほとんどのゲームで可能だろう。
正確に言えば、私はヒロインたちのとの触れ合い・思い出がほしいのだろう。
ヒロインとこんなことした、あんなことした、笑いあった、泣きあった…という。
それを自分の思い出と経験を重ね合わせることで、現実的にしている。
また、ゲーム以外のところでの彼女たちの触れ合いを想像することで
物語を膨らまわせることが十分にできる。
そして、その思い出や経験は現実では発奮剤となっている。


特に私は高校生活の思い出が自分に合っているため、
キミキスTLSを気に入っているのだと推測。


私が美少女ゲーム求めること、楽しんでいること。
それはありきたりでもいい、感動できるかどうかはさておき、
ヒロインとの触れ合いが描かれた物語。
あくまでBGMやグラフィックはその表現を広げるためのモノ。
だけど、その表現がおざなりだと良い作品は生まれない、と付け足しておく。




以上、ほとんど美少女ゲームの知識がない者の戯言でした。