ボクの嫁 私の嫁 〜その13

星乃さんをいつの間にか好きになっていた。
それはもしかしたら星乃さんを助けてあげたいと思う気持ちが
ずっと一緒にいたいという気持ちに変わったのかもしれない。
健気で人知れず想いを抱いている星乃さんに愛おしいという感情が芽生え、
そこから好きになったのかもしれない。
実際のところはよく分からない。


だけど、こう思うことがある。
キミキスにおいて星乃さんだけは話が違ったからだ、と。
もちろん、見方によっては各キャラ相違点があり、
一つだけ決定的に違うなんてことはないが――。
星乃さんだけは転校していく。主人公から離れていく。
各々ヒロインは物語中、主人公との距離を感じさせられる部分が描かれている。
もしくは距離を置かれる描写がある。
例えば、摩央チェックが終ったとき。試験が終わったとき。
婚約者がいることが分かったとき。留学の話が出た時。……などなど。
しかし、物語の最後では二人はずっと一緒だという描写でEDとなる。
どんなときでも二人は一緒、そんなことを感じさせられつつ。


だけど、星乃さんは違った。
想いを確認し合った。何度も会いに行くことを確認し合った。
どんなに名残惜しい言葉を言っても、二人は離れ離れになってしまう。
遠く離れてしまう。どこかへ行ってしまう。
そこに寂しさを感じた。
その感情が私の慕情を増幅させた。


星乃さんを好きになって、それからどのように想いは変化しただろうか?
ふと、そう思った。


私は先にスキルートをやり、ナカヨシルートをプレイした。
2回目の星乃さんとの交流のため、
星乃さんが自分に想いを抱いていることが分かっていた。
また、転校することも私は知っていた。
ついでに言うと、先のプレイと違い、
私は星乃さんが好きだという感情を抱いてプレイした。


以上を踏まえて、ナカヨシルートの思い出を少しずつ語っていく。
そこに答えがあるかもしれない。


次回、また気が向いたら――。


その12
その14



星乃さん…!星乃さん……!!
星乃さん!!!