アニマルッ!

ヤングアニマルあいらんど no.16に掲載された
アマガミ precious diary」上崎裡沙特別編「恋人だからできること」の感想。




あらすじ。
色々な出来事があったなか、はれて恋人同士になった裡沙と純一。
そして、季節は夏。
二人は海にデートに行くことになったが…。


上崎裡沙編ということで、期待するものがあった。
一つは、ゲームで描かれなかった二人のデートがどんなものだろうか、ということ。
もう一つは恋人同士となった二人がどんな関係を築いているのか、ということ。
主にこの2つに注目して読んでいた。




二人のデートについて。
原作ではクリスマス直前まで裡沙は登場せず、EDまでほとんどデートや会話もなかった。
そのため、二人がどんなデートや触れ合いをするのだろうか?というのは、
プレイヤーによって色々な想像ができ、楽しい部分だろう。


今回の話では海、しかも人目につかないところの海へのデートだった。
「人目につかないところ」というのはよくよく二人の関係性を表していると感じる。
裡沙は己の嫉妬心から純一に好意を寄せる人を陥れ、純一と付き合うようになった。
当然、それがバレたら非難を浴びることとなり、自分が傷つくことなる。
純一や女の子たちに「自分のしたこと」を正直に話し、許されたとしても
その罪は消えないし、後ろめたさも残るのだろう。
また、二人がイチャイチャしているところを目撃されれば
例え一度は許したことかもしれないが、周りの不満が募ることにもなる。
そう考えると、周りに二人の関係をバラしたとしても
「隠れるように付き合う」というスタンスは変わらないんだなと感じられた。
裡沙のしたことはよく「しょうがないよね」という裡沙のセリフ、
そして純一の「許す」or「許せない」の選択肢で語られることが多いが、
実は決して「しょうがない」の一言、純一の「許す」の一言で
終えることができない問題なのだと考えさせられた。


デートの中身。
裡沙は「1本のラムネを二人で飲む」「サンオイルを塗る」と
「恋人だからできること」を積極的にやっていた。
原作の会話の中で、裡沙は「恋人になったら、色々なことをしたい」と語っていた。
まさにその通りの内容ではないだろうか。
色々なことを純一にしてあげたいし、純一の望むことをたくさんしてあげたい。
その理由の一つとしては、裡沙の「嫌われたくない」という想いからだろう。
好きな人を他の子にとられたくない一心で、
たくさん奉仕をするし、自分を見てもらおうと行動する。
最後の裡沙の独白は
積極的な行動を見せるが、実は不安と隣り合わせであるということが表れていると思う。
また、恋人のようなことをして、安心感を求めているのかもしれない。
「私たちはちゃんと恋人同士なんだ」という行動による証明。


余談だが、そんな積極的な行動をする裡沙だが、
実は自分の感情や想いを表すのは苦手であると思う。
実際、何年もの間片思いであったわけだし、
ゲームでのラブレター攻撃も不安感からようやく行動に移した形だった。
積極的な行動も前述のとおり、不安感からだろうと思える。
そんな裡沙の自分の想いを隠すというところが
「橘裡沙」という砂に書いた文字を消したところに表れていて、好きだった。
まだまだ秘めている想いはたくさんありそうで、興味深い。




今回の話で、裡沙の恋人同士になれたけど不安に感じる気持ちや、
内にまだまだ秘めた想いがある可能性。
それらが垣間見えて面白かった。
また、「隠れるように付き合っている」というED直前と変わらない関係は
考えるところがあり、興味深かった。
あ、それと裡沙ちゃんが色っぽくてドキドキした。オイルプレイとか
そんな感じで久々のアマガミPDを楽しませていただいた。




そういえば23日発売のヤングアニマルからアマガミPDの連載が再開のようですね。
東雲太郎先生が描く棚町薫編の今後を期待します。


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