4 U ・・・ その8
『アマガミSS キャラクターイメージソングス For You ・・・』収録曲、
『stories』について。
絢辻詞、桜井梨穂子、棚町薫、中多紗江、七咲逢、森島はるか、
以上の6人、全ヒロインで歌っている歌。
そして、「For You・・・」の最後を締める歌。
私がこのCDの中で一番好きな歌はこの「stories」である。
以前、この「For You・・・」について、
どこか“アルバム”のような雰囲気をまとっている…そう書いた。
CDのアルバムではなく、写真などをまとめるアルバムのこと。
ジャケットも写真調であり、そういった雰囲気を出すのに一役買っている。
「stories」は、よりアルバムのような雰囲気を持つと思う。
胸に残るストーリー…そう、ヒロインたちとの時間を思い出のように語っている。
素敵な記憶をしっかりと受け止め、それを大事にしている。
まるでアルバムに収められた写真のように。
思い出や記憶は人それぞれ。
同じモノを体験したとしても思い出や記憶に残っているのは人によって違う。
また、過ごしたヒロインによって語られる話は大きく異なる。
ファンの数だけ、紡がれる物語がある、と言ったところか。
プレイヤー、もしくは視聴者…ファンが持つ「アマガミ」の思い出はバラバラである。
6種6通りの物語を展開した「アマガミSS」
その話はそれぞれが独立したお話で、つながりはほとんどない。
だが、この歌はそんなバラバラな物語を一つにまとめている。
6通りの物語が描かれたが、それらはすべてアマガミSSの世界なんだ。
そして、見ている人の数だけ物語がある。
ゲームならばプレイヤーの数だけ物語がある。
それらすべても紛れなく「アマガミSS」、もとい「アマガミ」なんだ。
「この歌うたえば一つになれる」そんなことを言っているように私は感じた。
この言葉はアルバムの締めとしてもふさわしいと思う。
まあ…実際の意味は「『あなた』と『私』が一つになれる」なのかもしれないが、
「stories」と複数形になっているところを見て、
私は「物語たち」と読み、6通りの物語、
さらに言えばファンの数だけある数多くの物語のことを歌っているように思ったのだ。
アルバムの中には多くの物語が描かれている。
一つの物語にテーマを括ったものもあるが、様々な物語が並んでいることもある。
ページを開くたび、描かれている物語の情景が異なるのを想像するとすごく楽しい。
「未来のストーリー 君と描いてく」
そう、自分だけの物語がこれから描かれていく。
何度も言うが、描かれる物語はファンの数だけ異なる。
自分はこれからどのような物語を描くことができるだろうか。
また、この文章を読んでいる貴方はどんな物語を描いているだろうか。
この歌を聞くとそんなことを考えてしまう。
数多くのアマガミの世界があることを歌っている歌であり、
これからもアマガミの世界が描かれていくことを歌った歌。
そう感じたからこそ、私はこの歌が好き。（ただの深読みかもしれないが…）
ぜひとも多くのファンに自分のアマガミの世界を楽しんでもらいたい。
もちろん私は私のアマガミの世界を楽しむ。
余談。
この「stories」を聞いたとき、以上の感想を抱いた。
と、同時に「stories」が実にアマガミSSの世界観を表していると思った。
様々な物語が描かれるオムニバスのアニメ、まさに「アマガミのStorieS」だな…と。
だから、アマガミSSのSSは「StorieS」だと、私は勝手に思っている。
