誕生日おめでとう!

今日は沢田璃未さんの誕生日です。


風で飛んだ麦わら帽子。
暑い夏のある日に出会った少女はとても眩しい笑顔をしていた。
一言二言交わしただけだけど、また会える…そんな気がしていた。


彼女は転校生。
突然、青葉台に転校してきたのはあの日出会ったた彼女だった。
だけど、一つだけ違ったことがあった。
あの日、明るい笑顔を見せてくれた少女は素っ気なく、
人と話すことも避け、笑うこともなかった。


彼女は転校を繰り返すうち、友達だと思っていた人から忘れられる悲しみを覚えた。
親しくなってもすぐに離れ離れになる辛さを知っていた。
…だから、友達を作らないし、誰とも親しくならないと決めた。


いつか転校してしまう…どこか似た境遇で共感してしまったのか。
はたまた妙なお節介が働いてしまったのか。
それでも、彼女と親しくなりたかった。友達になりたかった。


彼女は再び笑顔を見せてくれた。あの日見た…あの笑顔。
彼女は転校しなくてもいい道を見つけた。
何度も転校に打ちひしがれたが、今度はもう大丈夫。そう確信していた。


妙なお節介が彼女を苦しめることになると分かっていた。
これからもずっと一緒だと喜ぶ彼女を前に罪悪感が襲った。
それでも…伝えなければいけない。
転校のこと。ずっと一緒にはいられないということ。
そして…。


友達を作る喜び、親しい人とと一緒にいる楽しさを取り戻した彼女は元気だろうか?
青葉台に馴染んだ彼女と一緒に過ごしたかった想いはあるが…
今は我慢。
再び会えるその日まで…。


沢田さん、誕生日おめでとう。