俗・ひらがなのあまがみ

ファミ通コミッククリアにて連載中の「あまがみっ!SS+ plus」。
今回は第4話の感想を述べる。


あらすじ
豪遊をするためにバイトをする純一と薫。
しかし、あまりうまくいっていなかったところ、
恵子から薫のコンプレックスであるクセ毛に効く海藻の話を聞く。
高値で取引されることもあり、海藻を求めて旅行に出るが…?


薫と言えばクセ毛。
「あまがみっ!」においてツッコミ役の薫がメインの話では当然そこをいじるだろう(笑)
「あまがみっ!SS+ plus」のコンセプトでもある、アニメのSS+の話に沿って話が進み、
ちょこちょこ(「きのこ・たけのこ」など)ネタを交え、
毎度のごとく、“ぶっとんだ”内容で描かれていた。
ときおり、「うなぎ」や「UMA捜索するはるか」、「砂風呂」といった
今まであまがみっ!で使われたネタが何度も使用されているところなど、
あまがみっ!ファンからすると笑えるところではないだろうか。
実に「あまがみっ!」だったと思う。






さて、ここから個人的な話。
正直な話、ギャグ漫画「あまがみっ!」として、私はその世界に飽きてしまった。
というのも、幾度となくアマガミキャラがいじられ、ネタとされていくうちに、
「キャラのいじり方が固定」され、「キャラとネタの結びつきが単調」に思えるからだ。
例えば、七咲が登場した。すると直結的に「イナゴ」「イナゴマスク」がネタになる。
「あまがみっ!」らしいといえば、実に「あまがみっ!」らしいが…
それに伴って表現されるキャラの言動とか、「笑い」が読まずとも想像でき、
次に出てくるであろうネタを見る必要もなくなってくるのだ。
すると、読む価値がなくなり、「飽きて」しまう。


もちろん「笑い」の中には、「お約束」と言われるような先が読めた上でのギャグもある。
あまがみっ!における笑いも、今現在となっては「お約束」が占めているのだろう。
また、繰り返しギャグ漫画を読んだり、お笑いDVDを見たりするように、
面白い笑いを何度も反芻させることもある。実際にある。否定はしない。
だが、(個人的嗜好ではあるが)面白い話というのは基本「1度きり」だと思っている。
上手い刺身をその場で切って食べて、「美味い」と感じたらそれっきり。
「後日、また食べよう」とその刺身を取っておけば腐ってしまうし、
長期保存させようとすれば別物になってしまう。
もう一度食べたければ、同じような魚を仕入れる必要がある。
しかし、獲れた場所や時期も違えば、一度食べた魚とは別物であり、
美味しいかもしれないが、味や質は一度食べたものとは異なるかもしれない。
まさにナマモノ、ミズモノだろう。
ギャグに置き換えるならば、同じギャグを延々と繰り返すことは
同じ刺身をいつまでもとっておいて、食べることに他ならない。
食傷気味にもなるし、やがて腐って食べられなくなる。
同じギャグをするにしても「違うアプローチ」が必要だし、
アプローチや時期、場所によっては不味くなる。難しい話だが…。
そして、何度も同じ魚を捕まえて食らうに当たり、肝心なことは、
「その魚が美味しいこと」である。


……と、ここまで書いて、
私があまり「あまがみっ!」のギャグに好感を抱いてなかったことを思い出すが、
まあ、おいておこう。


とりあえず、言いたいことは「同じギャグ」が繰り返されているが、
今まで散々使われてきたネタであるために、
新鮮味もなければ、少々食傷気味になり、面白味がなくなっている、と思うのだ。


また、同じギャグが繰り返されることについて、
今までアマガミの世界を独自の崩しによって世界を広げてきた「あまがみっ!」だが、
もしかしたら、頭打ちになったのかな?とも感じている。
風船が永遠に、永遠に膨らみ続けることがないように、
「あまがみっ!」の世界もこれ以上膨らむことができないところに来たのかもしれない。
新しい解釈も生まれず、斬新なネタもない。
その影響が「同じギャグ」や「お約束」に繋がるのかな?と。
あくまで個人的な意見。ピアイ才先生が聞いたら憤慨されるかもしれないが(ビクビク


おそらくあと数話ほど「あまがみっ!」は続くだろう。
散々文句は垂れたが、残る紗江編、はるか編、そして美也編?の話を
どういった切り口で描かれるのか気になるし、
これ以上膨らまないと感じた世界がまだ膨らむことを期待するため、
これからも楽しみに読ませていただきたい。


以上。


第3話
第5話