刻を越えて

昨日の続き。


よく、私はアンソロジーコミックに対して、「タイムカプセル」のようだと言っている。
それはアンソロジーコミックが
元ネタとなるアニメやゲームの作品に対する評価やファンの想いなどがつまっており、
その時に読めば「ああ、その想いや考えがあるなー」と感じ、
数年後に読めば「こんな考えがあったな…」と懐かしむことができる。
また、新参者が読めば、そういう考えがあり、ファンはそういう想いを持っていたのか
と知ることができる。
時代を越えて、当時の雰囲気、空気を感じることができる。


トゥルー・ラブストーリー Remember My Heart オフィシャルコミック」は
森田屋すひろ先生が一人で描かれたアンソロジー本である。
当時の雰囲気やキャラに対する評価が分かる作品である。
例えば「綾音ちゃんのとりまきちゃん」において
とりまきちゃんの白鳥さんの綾音ちゃんのセリフに対するツッコミがあるが、
綾音ちゃんのセリフの不自然さをネタにしてあり、
当時、そういうことを思った人が結構いたのかな?などと推測される。
(多くの人がそう思わなければネタにはならないだろう)


そして、ネタ的な意味でも時代を感じる。
笑いのセンスが古いという意味ではなく、
メディア展開など取り上げている話題が当時を反映させ、
その雰囲気なり、空気なりを感じることができるという意味である。
特にラジオ「パジャマでいっしょにネ」の話は多かった。
「スタジオがロココ調のカベで、タタミ30畳にソファー。
隣はラーメン屋。台所ではお母さんがネギを切っている」のネタで、
森田屋すひろ先生じゃないけど「どんなトコだよ!」とツッコみたくなった。
そんな対談記事や漫画などでラジオの様子が垣間見え、
ラジオを視聴したことはないが、面白そうな番組だったと感じた。
(ぶっ飛んでいるとも思ったw)
十数年後、新たなアマガミファンの方がアマガミVAのアマガミCSの話を読んだとき、
どう思うかと考えると、熱くなるものがあった。
焼けぷ先生はいい仕事をされましたね。
余談だが、当時、池澤春菜さんが女子大生だったことに
時代を感じるなーと思った。


トゥルー・ラブストーリー Remember My Heart オフィシャルコミック」は
対談記事やラジオなどの話が掲載されており、
新参者である私からすれば、自分の知らなかったTLSの世界を知ることができ、
大変嬉しく思う。
ある意味、時を越えて出会ったとも言えるだろう。


昨日、書きかけだった、もう一つ思ったこと。
それは以上のような、自分の知らなかったTLSの世界の発見について、
および、時代を越えた出会いについてである。


実はこの本、一つとんでもないものを残していた。


「“トゥルラー”の殿堂」と題した、ホームページセレクションである。
アスキーTLS公式サイトや森田屋すひろ先生のHPだけでなく、
ネットを使って、TLSへの想いを形にされた方々のHPが紹介されているのだ!!
実は私、このコラム記事を読む前から、これらのサイト様の存在は知っていました。
これを読むと、当時有名だったのか、と感心してしまいました。
ですが、お気づきの方もいっらしゃるでしょう。
現在、アスキーTLS公式サイトはありません。(eb!に移動しています。)
また、紹介してあるサイト様のほとんどが
閉鎖されたり、更新停止状態(気味?)であったりしています。
実際、森田屋すひろ先生のHPも数年前で更新がストップしています。


少しさびしく感じた。
かつてTLSを愛され、活動された方々が、今はお休みになられている。
そんな事実に。


いつまでも永遠に続くものはないし、
いつまでも変わらずに続けられるものはありません。
いつかは終わりが来るし、
活動だって衰えや色褪せでいつかは終わりが来る。
何らかの事情により、突然終わるときだってある。


アマガミだっていつかは終焉の時が来る。
キミキスアマガミを愛され、活動されている方もいつかはお休みになる。
このブログだって例外ではない。


だけど、終焉を迎えてから新しいファンが生まれることはある。
TLSに対しての私のように
キミキスアマガミに十数年後、新たなファンが生まれることはあるだろう。


私はTLSキミキスアマガミに対して、
ゲーム自体を楽しむだけでなく、他者の考えや想いを読んだり、
自分の想いや考えを発信する楽しさや面白さを認識している。
それはゲーム本編に限らず、本やCDといった関連商品も含めて。
もし、そんな楽しみをもった新規のファンがそれを楽しもうとしたとき、
作品の関連サイトやファンサイトがすべてなくなっていたなど、
他者の想いや考えに触れることができなくなってしまっていたら
ものすごくさびしい思いをするだろう。
私もTLS関連のサイト様がほとんど存在していない事実に悲しみを抱いたことがあり、
数少ないサイト様を訪ねたり、アンソロ等を読んで、当時の考えや想いを推測している。
また、今からでもTLSへの想いを叫んでいる。


十数年後、はたしてこのブログが存在しているのか分からない。
だけど、このブログが存在し、
新規のファンの方が、当時のファンである私の想いや考えを少しでも感じて
楽しんでいただけたなら幸いである。
また、公式では記録として残らない情報等がこのブログで知ることが
できたというのであれば、これ以上の幸せはない。


ブログに書くという行為は
私個人のその時の想いや考えを書き、
他人に発信するためのツールとして働くだけでなく、
このブログが存在する限り、未来に発信するツールとして働く。
それこそ自分自身の備忘録にもなり、当時の自分の感想を確認できる。
また、当時、どんな考えや想いがあったのか知りたい新規の方などには
時代を越えて知ることができる。
そんなことに改めて気づいた。


多くのサイトが生まれては消えていく。
このブログだっていつかは消えていく。
だけど、休息を迎えるときまで私は想いを書き続けていきたいし、
このブログ自体が消えてなくなるまで、想いを発信したい。
今現在だけでなく、未来に向けても。


始めて半年。一年にも満たないブログが何を言いやがると思われるかもしれない。
だけど、そういう気持ちでやっていきたいなと思うのだ。


未来へ。自分よりも若い者へ。次の世代へ。
私はあと、どれほど想いを伝えることができるだろうか?


たった一冊の本から、こんな関係のない話へと進んでしまった。