AMAGAMIっ!

いろいろ書きたい感想がたまってきていますが、
一つ一つゆっくりでも書いていきたいと思います。
今回は『あまがみっ!①』の感想を。
と、言っても私は「あまがみっ!」の各話感想は更新のたびに書いてきたので、
今回は「あまがみっ!」という作品をふりかえって、という感想です。


先日、9話目となる9かみ目が更新されましたが、
私はこの9かみ目を読む前に『あまがみっ!①』を購入し、読みました。
後々9かみ目の感想の時にも述べたいと思いますが、
『あまがみっ!①』を読んだことは8かみ目までの復習になり、
より一層9かみ目を楽しむ要因となりました。


「あまがみっ!」という作品は
私の感覚ではアンソロ等の発展形の作品だと思う。
私はアンソロジーというのはその時代のそのゲームの評価だったり、
登場するヒロインおよびキャラの評価だったり、
そういったものが顕著に表現されている作品だと思っている。
「あまがみっ!」もその一面がある。
絢辻さんはいくつもの顔を持っているし、
梨穂子は食べるのが好きだし、
薫は髪モジャだし、
紗江ちゃんは乳運命(ミルクフォーチュン)だし、
七咲はイナゴマスクとカップ麺だし、
森島先輩はノリがよく、破天荒なキャラである。
特徴的なイベントや話から各ヒロインの一面を取り出し、ギャグが展開される。
ときにそれはその時代の評価をあらわしている側面がある。
これはアンソロジーと同じ側面がある。


ただ、違うのはその一面をより一層強化・発展しているところがあること。
森島先輩はくるくる回り、薫は焼きそばとして描かれ、
紗江ちゃんは売れっ子同人作家になり、
七咲はイナゴマスクを通り越し、イナゴ、
梨穂子は食いキャラとして、絢辻さんは裏表関係なく黒い。
サブキャラもいじる。
田中さんは男好きに、ハナヂ王子はフードファイターに…
原作で描かれている以上の設定を作り、新たなギャグを生み出している。
その時代の評価をあらわしつつ、その評価をより強く独自に表現している。
だから、アンソロジーの発展形だと私は思うのだ。


しかも話が進むごとに設定がより濃く塗られていく。
アマガミではなく「あまがみっ!」の独自設定。
『あまがみっ!①』を読んで改めて気づいたが、
いつの間にか「あまがみっ!」を読む際には、その設定が頭に刻まれていた。
そういうキャラなのだと認識できていた。誘導されていた。
そして、それを毎回毎回楽しんでいた。(ギャグで苦手なものもあることはあるが…)
これには一言「やられたなぁ…」と思わざるをえなかった。
そして、9かみ目を読んで、その設定を再認識することができ、楽しんだのだが
その話は次回にしよう。


『あまがみっ!①』を読んで、「あまがみっ!」の世界を改めて堪能しました。



余談。
実は「あまがみっ!」の設定に誘導されていたなぁと気づいたのは巻末だったりする。
それはちょっとしたクイズで
▿_▿  = =  ― ―  σ σ  ▽ ▽  ^o^  ¬ г  ⌒ワ⌒  ^ω^
これだけでどのキャラか、分かることからだった。
(上記では上手く表現できていないが…)
極限まで崩されていてなお分かるというのは、その崩しが根付いているという証。
「あまがみっ!」の力を思い知りました。


「あまがみっ!」2巻 感想