アマガミSSのSSって…? - 8 -

アマガミSS 棚町薫編 最終章「シンテン」を視聴しました。
これにて、棚町薫編という物語にも区切りがつきました。
では、その感想を。



純一は薫をクリスマスデートに誘う。
クリスマスデートにて、初めて薫は純一に想いを伝える。
そして、純一も薫に自分の想いを伝える。
そんな話だった。


前回まで、私は棚町薫の性格が違う、と述べてきた。
その想いは変わらない。
ただ、もしかしたら今までの私の見方が違うのかな?なんて思いもある。


クリスマスデート、ポートタワーで薫が想いを伝えた、あのシーン。
今の関係よりももっと先に進みたい。進展がほしい。そんな想い。
この話、前に同じ話をしている。
だけど、前の時と後の時では込められた想いが違う。
最初の方はどうしたらいいのか、何を求めているのか分からず、
ただ“進展”が欲しかった。
だけど、純一が必要なんだ、そばにいてほしいんだと気づいた後には、
純一にずっとそばにいてほしいがために、
ずっとずっとそばにいることができるための“進展”を求めている。
そんな感じがする。


最初は「好き」という感情にうまく対処できず、
「ノーカウントキス」など、振り回したりしたけれど、
純一との関わり合いの中で、「ずっとそばにいたい」という想いに気づいた。
『あたし、人を好きになるって気持ち……
 初めてちゃんと理解できた気がする』
薫のセリフの通り、「好き」という気持ちを理解し、
次の段階に踏み進めることがやっとできた。
あのポートタワーのシーンはそのように思えた。


「好きだ」という感情に気づきつつも、
どうしたらいいのか上手く処理できずに暴走している……
なるほど、そう考えると子供の恋愛っぽく思える。
そして、薫の家庭事情の話等がきっかけで
「好きだ」という気持ち、「そばにいたい」という想い、
それらをはっきりと理解することができ、二人の仲が進展していく。
薫の物語はそんな物語なんだと改めて思うことができた。
と、同時に、二人の関係は強く、完成されたようなものに私は思っていたが、
実はとても未熟なものだったんだ、と思わされた。
平池監督のアマガミ応援サイトのインタビューでいうところの
『一番恋愛の年齢を下げているかもしれない』との言葉通り。
未熟だけど、ちょっとずつ関係を重ね、最後にはステップアップ。
これが「アマガミSS」の棚町薫編なんだ、
そう考えると楽しかったし、ちゃんとつながっていると思う。


未熟、ということをより顕著に示すために
薫が純一への想いに気づいた描写を大きく描いた。(「うそ〜〜!!」と言うシーン)
純一が薫を異性として認識しつつも、薫への想いに気づかないという描写を入れた。
違和感があったシーン。
いくもあるが、そう考えることで、自分の中で納得ができた。



クリスマスデートについて、もう少し見ていくと、
前回、薫は純一が必要なんだ、と改めて認識した。
そして、今回。
クリスマスデートに薫が遅れた時、
純一は若干トラウマを思い出したかのような雰囲気になる。
だけど、薫は来た。「あんたの嫌がることはしない」との言葉つきで。
ゲームで薫がトラウマのことを知っているのかは分からないが、
アニメではデートをすっぽかされた純一と偶然、出会っている。
もしかしたら、薫はそのときのことを言っているのかな?と思える。
また、純一にはあのトラウマを払拭させてくれる人物に思えたんじゃないかな?
なんて想像している。少なくとも私はそう思えた。
そして、ポートタワーの中。
高所恐怖症の純一は薫に手を握ってもらうことで、
高所恐怖症だけど、それを乗り越え、ガラス張りに床の上に立つことができた。
私にはこのシーンは「トラウマを乗り越えること」とダブって見える。
純一は薫に支えてもらって「トラウマ」を克服した。
それを表しているんじゃないかな?と。


純一が薫の支えになるように、薫は純一を支え、困難を乗り越えさせる。
または支え合って、困難に立ち向かう。
そんなことを、前回、今回と表しているように思える。
もっと言えば、バドミントンの羽も、かな?
ゲームでもそれらは描かれているが、
アニメだとそこだけ抽出されて分かりやすかったな…そう思う。
(ヘソキスは除くが。)
また、前回話したことだが、薫がちょっと弱く見えるという事に関して、
もしかしたら、そんな支え合いを顕著に描くため…なわけはないか。
ただ、薫が少し弱いように描かれていることで
弱い二人だけど、支え合っていくんだ、ずっとそばにいるんだ、
というのが分かりやすいなぁ…というのはある。



初々しくて、爽やかな青春恋愛劇でした。楽しく視聴させていただきました。
今までの不満点は私の中でほとんど(勝手に)処理されたかな?


最終章において、ちょっぴり不満を言うと、
ベッドに入った後、ゲームのような薫の“独り言”が欲しかったなぁ…と。
薫の家庭事情の問題はやっぱりまだ解決できていないと思えるわけで、
前回のようにあっさり終わるものではない。(というか終わっているの?)
だからこその薫の心情告白。これから先、乗り越えるものはいくもある。
それを思わせつつも、二人でその問題を乗り越えていくことを予感させる。
きっと二人はこれから先、一緒にいくつものステップを踏んでいくだろう。
そんなことを思わせるような描写なのに、なくて残念でした。


あと、薫!そこで寝るなよーーーー!!;;
上にのって、キスの途中で寝るなんて、なんだこの展開ーーーー!!;;
(以下、省略
というか、確かTV放送ではここで終わってるんですよね。
う〜ん…この終わりじゃ確かにスッキリ終わっていない感はあった…かも。



以下、毎度の気になったこと。


1つ目。田中さん。
お、田中さんが薫と純一をくっつけさせる作戦を展開している。
そういえば、薫が学校に来ていないことを純一に告げたりして、
田中さんは二人の関係を進展させるのにうまく(?)働いているなぁ…と。
実は薫に頼るような一面はあるけど、
結構、他人の恋愛事情に首を突っ込んだりするのかな?
いや、親友の薫だからこそ、かな?
それと、梅原を一蹴するなど、手厳しい一面もおありなんですね…。
梅原……;;


森島はるか編で描かれた「春が来た田中さん」は描かれず…ですか。


2つ目。紗江ちゃん。
棚町薫編を見てきて、紗江ちゃんと純一の絡みはほとんどなかった。
その代わり、1年生トリオの仲の良さが目立っていた。
七咲はともかく、美也と紗江ちゃんの仲の良さは
次の中多紗江編で生かされるのかな?と期待している。


3つ目。美也。
もうね…「まんま肉まん」と美也が言うたび、嫌悪感が出るほどです……。
美也、なぜに「まんま肉まん」にこだわる…!?
「まんま肉まん」をネタに使い過ぎた感があり、嫌気がさすのです。
別のネタやセリフはないの…?


4つ目。どこ削るつもりだったんだろうね?
前述したとおり、ラストのシーンの自転車シーンはTVでは削られたと聞く。
もともと別のシーンを削る予定だったとかなんとか。
どこを削るつもりだったのか分からないし、予想しても意味はないが、
私の予想はタワーのシーン前に海辺を歩くシーンかな?と思っている。
森島はるか編ではクリスマスデートの一部を削っていた。
…と考えると薫編でもデートの一部を削る流れだったのかな?と。
映像特典に入れるにしては弱いかな?とは思うが。
(そういや、このシーン、ゲームでは海でじゃれてたよね…)


5つ目。平池監督のインタビュー。
アマガミSSのDVD&BDのブックレットのインタビュー。
森島はるか編の時にもついていましたが、
森島はるか・棚町薫およびアマガミについて平池監督の考え等が載っています。
気になった方は読まれてはいかかがでしょうか?
私がこれに触れることはしないです。
ただ、私が気になったことについて述べてあったので一部ピックアップ。
下級生の話題について
『第1章は「クレープの具について」』
『第3章のところは(中略)「イナゴマスクの怪人マスコットぬいぐるみ」』
の話をしていたようです。へー、そうなんだー。
で、最後の薫と純一のベッドでのシーンについて
『ベッドでのキスは、薫がしたくてしたんだけど、
 した後に恥ずかしくなって、寝たふりを決め込んでいます(笑)』
あ、あれは寝たふりだったんですね。
じゃあ、あの後もしかしたら(ry



こうして、棚町薫編を視聴した。
初々しくて清々しい青春恋愛の物語だった。
ところどころ、もっと描いてほしい部分はあったが、
二人の関係が進展していく様をしっかり描いていたなぁと思う。
そこを楽しく視聴させていただいた。
しばらくたって視聴したり、80分見通したりすれば意見は変わるかもしれない。
とりあえず、今の感想として残す。
また、改めて『きっと明日は…』のCDの感想を書きたいと思うので、
もう少しだけアマガミSS 棚町薫編について触れていくつもり。


さて、次回から中多紗江編。
中多紗江編は今までとテイストが違うとのことでしたが…。
どうなるか、楽しみです。
そして、次回予告のBGM(中多紗江のテーマ?)は
『A little bird on my hand(小鳥の育て方)』ですか…。
これについても触れていけたら、と思います。


それではこの辺で。


その7 棚町薫編 第三章「ウラギリ」
その9 中多紗江編 第一章「コウハイ」
その29 『きっと明日は…』感想