AMAGAMIっ!

『あまがみっ!』2巻の感想。
と言っても、話についての感想はすでに書いているため省略。
(読みたい方は「ひらがなのあまがみ」で検索をどうぞ。)


「あまがみっ!」2巻の感想を書くにあたり、困ったことがあった。
それは「あまがみっ!」の感想を書こうにも、
今までの連載の中で「あまがみっ!」に対する想いというのは書いてしまっているから。
これ以上どんな想いを私は吐き出せるのか、考えてしまった。


「あまがみっ!」は独特の世界を創り上げた作品。
以前、私はそう言った覚えがある。
輝日東を舞台に、アマガミのキャラたちがゲーム「アマガミ」の枠を越えて大騒ぎをし、
ありえないような一面を創り上げられてきた。
ちょっとのことを誇大に表現したり、発展させていったり、
それらの表現をさらに膨らませていったり…
そうして築き上げられた世界は他にはない面白さがあった。
ネタの細かさや隅々まで描かれたギャグには脱帽もした。


アマガミ」はトラウマを持った主人公がクリスマスまでに恋人を作るゲーム、
ところが「あまがみっ!」はごくまれにトラウマや恋愛要素を盛り込んではいるが、
それらの要素は極めて薄い。
その代り、主人公を稀代の変態男・橘純一として描き、
他のキャラもそれに合わせて変化させることで
アマガミ」をどんどん壊していき、新たな世界観・キャラ観を開いた。


ときに橘純一や他のキャラの言動に気に入らないところがあったが、
(私個人が「好きではないギャグ」がたまに見られたりした)
それでも新たな世界を見せていただいたことは刺激的だったと思う。


これは誰にも真似できないだろうか?
いや、そんなことはない。
これと同じことは誰にだってできるハズ。
キャラについて一方の角度で掘り進めれば別の一面が見えてくる。
キャラを分解、パーツを取捨し、組み替えれば違った見方もできてくる。
方法はいくらでもある。要はそれをするか、しないか。


余談だが「あまがみっ!」を読み返してみると、感想が変わるな…と思うことがあった。
連載を読んでいた頃は梨穂子の食いキャラや七咲のイナゴネタなどを笑っていたのだが、
時間がたって改めて読むとそればかりが描かれている気がして、少々食傷気味に感じた。
あと焼きそばとか、まんまにくまんとか、メロンパンとか。
そう考えると、独特の世界を創り上げたといっても、
アマガミの世界の一方向に向けてであり、まだまだ広がる余地はあったといえる。
それをネタにできるかなどの問題はあっただろうが…。
この余地は誰が引き継ぐか、それはファンひとりひとりだろう。
アマガミの世界を広げるのはファンひとりひとりですよ。
キャラのある程度の人物像を制作する側が創り上げるが、
それ以上の人物像を作り上げるのはファンの声。ファンの評価。
アマガミの世界はまだまだ広がる余地がある。広げてみたくはありませんか?


皆様はそれぞれのキャラにどのような想いや考えを抱いていますか?
今度は自分の手でキャラに対する想いや考えを深めてみませんか?


今一度、私はどんな想いや考えを抱いているのか、
そして、それらをもっと深めていけてたら…なんて考えていた。
それが私の感想、吐き出した想いである。




もう一つ余談。
「あまがみっ!」2巻を読んで、ここで描かれる純一は最後まで最低だな…と。
さっき付き合おうと告白した女性の前で別の女性に告白するとか…。
この軽さ・身勝手さというのも、
ある意味「アマガミ」主人公の持つ一面を誇張した表現なのかもと思ったり。


「あまがみっ!」1巻 感想