アニマルッ!

ヤングアニマルあいらんど no.18に掲載された
アマガミ precious diary」特別編「卒業アルバム」の感想。
アマガミ precious diary」の最終回である。


あらすじ
3学期。卒業式間近の輝日東高校。
梨穂子と一緒にお昼をとっていた純一のもとに現れたのは
卒業間近の森島はるかだった…


自分だけの卒業アルバムを作るという話だったわけだが、
最終回…それも「特別の」というだけあって、メインヒロイン総登場の話だった。
賑やかで、明るく、楽しい雰囲気をまとっていた。
同時に、はるかの卒業という「お別れムード」漂う雰囲気で、
最終回にはふさわしい話だったのではないだろうか。


そういえば、私はドラマCDを聞いたことがないため、
ドラマCDに収録しているはるかの卒業式の話を知らない。
だが、ラジオで一部を聞き、はるかの思い出作りをする…というエピソードがあったと
記憶している。
はるかは忘れっぽい性格なんだけど、
そういった思い出を大切にする一面があるよな…と思いつつ、
顔が広いこともあり、人と仲良くするのも好きだよなーなんて思ったり。
この話はそんなはるかの一面も垣間見えた。


ふと、このアマガミPDではどんな風にはるかは
他のキャラと仲良くなったのだろうか?と気になった。
森島はるか編は連載されなかった。
だけど、こうして特別編ではるかと他のヒロインが仲良くしているのを見ると、
有名人のはるかのことを他のヒロインが知っているのはともかく、
はるかが他のヒロインとどういった経緯で…もっというと、
純一を介して、いかに知り合ったのだろうか…?と思うのだ。
アマガミPDで描かれなかった一面。そしてゲームでもほとんどない描写。
描かれなかったからこそ、どうしてこのような関係に至ったのか、
気になってしょうがない…が、そこは想像で補うしかない。
それもまた楽しみではある…。


アマガミPDが非常に惜しいよなと思うことの一つが、
やはり連載休止期間があったり、その他の事情があったりして、
絢辻詞編、棚町薫編しか描かれなかったこと。
他のヒロイン編が見たかった…とか、そういうことではない。
この特別編だけを見た場合、前述したように、
はるかと純一がどのような経緯で(他のヒロインも絡めた)このような関係を築いたのか、
すっぽりと空いてしまっていること。
思い出に浸るはるかの姿はとても印象的で実にはるからしいが、
このアマガミPDだけを読んでいては、どうにも共感しにくいところ。
また、オチの部分である『私の「大切な日記」』とシメたシーン…
タイトルに直結する一文で「キマった」シーンであり、良いラストだったと思う。
ただ、何度も言うが、経緯が描かれなかったこと、積み重なったモノが希薄だったために、
“オチきれなかった”という印象が拭いきれない。
あたかもとってつけたかのようなセリフのようなのだ。
もし、しっかりとはるか編が描かれ、そのうえで特別編が描かれ、
最後の一文で『大切な日記』とタイトルに帰結したならば素晴らしかっただろうな…と。


『大切な日記』に描かれたものは何なのか分からないうえに、
込められた想いや感情も感じられないのだ。
原作をやったり、アマガミPD以外の作品の読んだり見聞きしたりすれば、
ある程度は補完できるが、単体ではちとキツい。
単体で完成しない作品ならば…それは未完成であると言える。
良い話ではあると思えば思うほど、惜しい気がしてならない。


興味深くは読んだが、一部で惜しい気持ちが表れてしまった。
グダグダになったけど、そんな話。


アマガミPDについて、以上のことを含めた感想を別の機会…
アマガミPDの単行本5巻が発売された時にでも書こうと思う。
アマガミPDとはどんな作品だったのか…私の中での位置づけを書くつもり。


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