「7」のプリズム

小説版フォトカノ、「フォトカノ ペンタプリズム・メモリーズ(1)」の感想。


ペンタプリズムとは五角柱の七面体プリズムのこと…らしい。
七人のヒロイン(隠しキャラ除く)を描いた物語の意味があるらしい。
まあ、それはさておき。
まだ1巻しか出ていないが、この小説は非常に果音についてよく描かれている。
果音の出番が多い、章末の果音メール、果音との思い出・想い…
写真部に入部し、学園祭の写真部の企画を通じて果音との関わりが多くなり、
果音との話を中心に話が進んでいる。
また、主人公・一也の果音への想いと懐古もちょくちょく見られる。
こう、一つの言動に対して、主人公の想いがついて回るのは新鮮があり、面白い。
なるほど…こういう見方があるのか、と。
同時に、モノローグが多いということで主人公の内面がよく描かれ、
新たに主人公像が構築されやすく、そこもまた面白いポイントである。


なお、前述したように果音が中心に描かれているため、
ヒロインによっては脇役キャラになってはいるが、一応全ヒロイン登場はしている。


余談ではあるが、私は特に果音が好きだ。果音がお気に入りのキャラである。
こう…なんというか、果音に対しての一線を越えてしまいそうな感覚とか、
果音との賑やかなやり取りの楽しさとか、果音への愛しい想いとか、
非常に共感できる部分もあり、改めて感じる想いもあり…
まどろっこしさ抜きに言うと、
「ああ、私はやっぱり果音が好きなんだ」ですね。
果音好きは読んで損はないです。はい。


果音中心の物語…ということで、当然、果音との過去に踏み込むわけで…
これからどう描かれるのか、注目していきたい。


小説版フォトカノはところどころ、小説独自の言い回しや視点、補足などがあり、
ゲームのシーンの再現であってもオリジナルティがある。
そう、描いたか!と思うこともあった。小説ならではの良さだね。
ゲーム越しでは分からない質感・匂いとかもイメージできる。
「写真」をテーマにしたゲームの小説化ということで、
写真をどう表現するのか気になるところだったが、
逆にイラストで表現されない分、文章のイメージで補うことになり、
想像すると非常に興味深いものであったため、個人的には気にならなかった。
小説というのもいいものだね。
…ステルス内田の能力が小説版では本当に何かの能力者か!!と思うほど凄かった(笑)


ということで、前編・後編の2部作らしいので、6月に出るという後編に期待。