清く恋しく美しく

セイレン 第七話「ブラコン」視聴しました。以下、感想文。


宮前透編の第3話。おそらく物語が結末に向かって動き出す話。


宮前先輩の過去を正一が知ったり、
宮前先輩がなぜゲーム好きになったのかを知ったり、
ふさぎ込みそうになった宮前先輩を立ち直らせたり。
今まで隠されていた情報が一気に開示され、
正一のアタック(ととある人物のアシスト)により、宮前先輩が復活した。
起承転結の「転」にあたる話であった。


タイトルの通り、ブラコンとは宮前先輩のこと。
耀編に登場した予備校講師が宮前先輩の兄であり、
大好きな兄とゲームに興じるためにゲーム好きになったということらしい。
あの予備校講師をここに繋げるとは思ってもいなかったが…。
しっかりと宮前先輩の趣味嗜好に理由付けがあるのは興味深い。
先輩が実は妹キャラでブラコンであるという話も、
個人的には好きな設定であり、そこを前面に出してくれるのは嬉しい。
あくまで個人的趣味の話。本題とは関係ない。


今回の本題は宮前先輩の過去だろう。
耀が忠告した意図は何か?
耀曰く、宮前先輩は男子に言い寄られることが多かったが、
完璧な宮前先輩に半端なプライドが傷つけられて離れていく男子も多かったとか。
傍から見ると、え?そんな理由で?と思うかもしれない。
耀編でも感じることだが、本当にセイレンは青春の物語なのだ。
些細なことで傷つき、涙する。
男子の逆恨みにあったりとか、女子のやっかみとか。
取るに足らないヤツのことなど放っておくのが良いのだろうが、傷となる。
男子も男子で、下らないプライドなど持っているから、
下らない理由で泣きを見る。そして、自分のことを棚に置き、不満を募らせる。
女子は女子で自分にないモノを持っている者が気に食わず、八つ当たりする。
そして、その矛先は…。
実に思春期の若者によく見られる光景ではないだろうか。


さて、私が気になった部分が一つある。
それは耀の立ち振る舞いだ。
耀が宮前先輩のことを忠告したのはさておき、
宮前先輩の電話に対しての「返し」が気になったのだ。
宮前先輩には「パートナー」がいる、と。
一見するとワガママで自己中心的に思われがちな耀がなぜそんな気を回すのか?
ゲームでも宮前先輩に牙をむいたり、過去をほのめかす忠告したり、
はたまた正一に対して、冷たく当たったりなど、
あまり宮前先輩とも正一とも良い関係でもなさそうな耀が、
なぜそのような恋の手助けともなる一言を放ったのか。
とても気になる。


セイレンにはルート分岐が存在する。
正一の選択によってヒロインのルートが分岐する、というヤツだ。
だが、やはり正一視点以外のルート分岐も存在するのではないだろうか。
耀の一言で、物語が一気に結末に向かっている。物語が動いている。
宮前先輩のことを忠告したり、電話でアシストしたり、
要所要所で耀が登場し、その都度、物語が転じる。
以前、正一が1Pキャラならば、耀は2Pキャラで物語が動いていると語ったが、
今回も同様の雰囲気を感じる。
正一が宮前先輩にアタックをしかけ、耀がその後押しをしているように見える。
かつて、アマガミというゲームで上崎裡沙が
プレイヤーとヒロインとのフラグを潰す位置づけにいたが、
セイレンでは耀の立ち位置はその逆。フラグを立てる位置づけにいる。
まるでお助けキャラのように、1Pのアシストをする2Pのように。
これから先、耀の立ち位置がどうなるかは分からないが、
もし同じ立ち位置ならば、今後も耀から目が離せないだろう。


さて、今回の話で宮前透編の大方の話の収拾はついただろう。
次回は宮前透編の最終話にあたる話。
どのように話が結するのか、楽しみにしたい。